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日朝国交正常化の意義とは
「日本国財政破綻Safety Net 」のわんだぁさんから、次のような本質的なご質問を頂戴した。
「そもそも、なぜ、北朝鮮と国交正常化しなければならないのでしょうか?」 正直言って、ウッと詰まった。「あんな国」と国交正常化して、日本にどんなメリットがあると言うのだろうか。これは意外な難問である。とりあえずネットを調べると、外務省の公式見解があるじゃありませんか。以下に簡単に要約する。 外務省ホームページ「外交政策Q&A」(平成13年4月) 問いは、「北朝鮮との国交正常化は本当に日本の国益となるのでしょうか」というもの。これに対して、外務省は、国交正常化には3つの側面があると答えている。 第1は、「我が国がかつて植民地支配を行った地域との関係を正常化するという側面」である。つまり、かつて植民地支配下においた国と国交を結ぶことは、歴史的・道義的な意義があると言うわけである。また、約200の国連加盟国のうち、日本と国交を結んでいないのは北朝鮮のみであり、近接している両国が「そのような関係のままでいること自体不正常なことである」と主張する。 第2は、「北東アジア地域に平和と安定をもたらし、ひいては我が国の安全保障を高める」という側面である。特に北朝鮮の弾道ミサイルは日本にとって脅威である。これを取り除くためにも、国交正常化して対話の場を設けることが、安全保障上の利益に適うと言う。 第3は、「拉致問題などの人道問題をはじめとする日朝間の様々な懸案において、目に見えるような進展を得る」側面である。「そのためには、いたずらに北朝鮮を孤立に追いやるのではなく、むしろ対話を進めていくことにより、これらの解決の糸口を見出していくほかはない」と述べている。 外務省は、こうした側面を踏み外さずに国交正常化すれば、日本の国益に資すると考えているようなのだが、果たしてどうだろうか。思いつくままに問題点を列挙すれば、 ・国交正常化の「歴史的、道義的な意義」それ自体を「国益」と呼べるのか。歴史的、道義的な意義とは個人の思想信条の範疇に属するものである。北朝鮮との国交正常化に「意義」を感じるかどうかは、当然、国民一人ひとり異なる。国交正常化によって、核開発問題が進展するとか、北朝鮮国内の人権問題が減少するとか、拉致問題が解決するとか、そういうことに結びついてこそ「国益」なのではないか。 ・北朝鮮にとって「軍事的牽制」は最後のカードであり、それなくしては、単なる経済破綻国家となってしまう。ミサイル発射実験の一時凍結といったうわべの譲歩はありえても、周辺国にとって北朝鮮が軍事的脅威でなくなるような妥協は、容易に行なわない(というか、行なえない)のではないか。 ・拉致問題にせよ核開発にせよ、その解決を求めるということは、北朝鮮を「そうせざるを得ない状況」に追い込んでいくことにほかならないと思う。孤立化させるのも、「対話」するのも、すべてそのための布石である。これは大変な知的作業だ。それにもかかわらず、外務省は「対話を進めていくことにより、これらの解決の糸口を見出していくほかはない」と言う。いささか安易な姿勢だと指摘せざるを得ない。 つらつら書きつらねてきたが、どうもまだ考えがまとまっていない。問題の指摘は今日はここまでにしておきたい。 結局、僕が言いたいのは、前回のエントリと変わらない。マスコミは「対話路線」とか「強硬路線」とか騒いでいるが、アプローチはあくまでアプローチであり、目的達成のための「手段」に過ぎない。北朝鮮を日本側の意向どおりに動かすことが出来れば、それでいいのである。そういう意味で、経済制裁論者も、外務省も、ナイーブすぎると思われてならない。
by priestk
| 2004-11-21 01:23
| 日朝関係論
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