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耐震強度偽造問題と国家賠償
那古野庵日記さんの記事耐震強度偽装事件について、考えてみた、けど、よくわからん。で指摘されているとおり、耐震強度偽造問題は、自治体からすれば頭の痛い話なのである。
那古野庵さんが引用しておられる判例からわかるように、建築確認事務は、自治体と指定確認検査機関のどちらが行おうが行政行為となる。そうである以上、国家賠償法1条「国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を与えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる」が適用される可能性は否定できない。 したがって、同法1条の「故意又は過失」や「違法」の要件が満たされれば(検査体制の杜撰さからして立証の可能性は高い。)、住民が自治体や国を相手取って訴訟を提起することが考えられる。 しかし、訴訟だから判決が出るまでには相当の時間がかかることが予想されるで、何らかの立法措置によって救済が図られるかもしれない。この場合、建築確認の制度設計に問題があることは明らかなのだから、制度設計者である国土交通省が主たる責任・負担を負う必要があるのではないか。 ところで、『地方自治』4月号の「新発想行政法4(鼎談)」で、小幡純子教授らがこの問題を議論している。この中で、「民間開放した事務については、行政が自ら賠償責任を負うのではなく、資力のない民間が賠償責任を負えなくならないように、保険をちゃんとかけなさいよと義務付けることこそが行政の役割なのではないかと思います。」(86頁。幸田発言)と指摘されていて興味深い。建築確認に関する監視体制の強化と併せて検討すべき事項ではないか。
by priestk
| 2006-05-07 22:57
| その他内政・外交
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