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日本政治の考察
by priestk
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民主はどうずれば山拓復活を阻止できるか(一部加筆)
Excite エキサイト : 政治ニュース

岡田克也代表、ヤマタクに宣戦布告

民主党の岡田克也代表は3日、虚偽の学歴公表による古賀潤一郎前衆院議員=同党除籍=の議員辞職に伴い、来年4月に行われる衆院福岡2区の補選に向け、福岡市内で開いた党員・サポーター集会で支持を訴えるなど補選候補者の擁立作業を本格化した・・・・・・中略・・・・・・岡田氏は3日、福岡市内で記者会見し、「山崎氏は小泉純一郎首相の盟友。首相と対決する意味での象徴的な意味は変わっていない」と山崎氏の復活を阻止する決意を強調した(共同通信、10月3日)

僕がそこはかとなく応援している、ヤマタクこと山崎拓首相補佐官。
来年4月には復活をかけた大事な選挙が待っている。
そこに敢然と立ちふさがるのが、だれこそあろう、民主党だ。

民主党、議席を増やしつづけた8年間

民主党。おもえば奇妙な政党である。
1996年10月、総選挙を目の前にして、鳩山由紀夫氏と菅直人氏が設立。モットーは「市民」と「友愛」。当時は、中曽根康弘氏から「友愛とかなんとか甘いことをいってると、あっという間にアイスクリームのように溶けてなくなる」と言われる始末だった。

それから幾星霜。
96年選挙ではかろうじて現有議席を保持するに過ぎなかったが、97年末から98年春にかけての新進党の自壊・分裂・民主合流によって大きく飛躍。
98年の参院選、2000年の総選挙でも議席を伸ばし、最大野党としての足場を固める。
そして01年の小泉ショックを乗り切った後、昨年03年の総選挙で躍進、今年の参院選でも勝利した。
なんとまあ(補選は除き)国政選挙ではここ8年間ほぼ負け知らずなのだ。

「40代以下、高学歴、ハンサム」――民主党の候補者選定基準

しかし、急速に議席を増やしたためかどうか知らないが、最近、古賀某をはじめとして、民主党国会議員の質の低下が懸念される。まるで候補者選定の条件は、「40代以下、高学歴、ハンサム」しかないかのようだ。

福岡2区の補選。むしろ「40代以下、高学歴、ハンサム(もしくは美人)」にあてはまらない候補を探し出すのも一興ではないか。
# by priestk | 2004-10-04 00:39 | 政局・選挙
産経の意見も聞いてみよう!小泉改造内閣の評価
Excite エキサイト : 主要ニュース

checktyさんから、産経の社説についてご質問をいただいたので、先ほど読んでみた。
9月28日付の産経社説のタイトルは、「小泉改造内閣 基軸ぶれない外交に期待」である。結論から言うと、刺激は足りないが社説としては悪くない、といったところ。例えるなら古馴染みの飲み屋に行った気分。

具体的に産経の社説を分析してみよう。まず、驚くべきは、四紙(朝日・読売・毎日・産経)のうち唯一、産経だけが小泉改造内閣を明確に評価していることだ。

評価できるのは、日本の平和と安全を担う外交・安全保障の陣容を強化したことだ。また郵政民営化などの小泉構造改革を仕上げる政府・与党の態勢も一応整った。

まず、政策面については、外交・安全保障の陣容が強化されたと手放しで賞賛している。町村外務大臣、大野防衛庁長官の起用に対する期待も高い。
党三役には知名度や清新さに物足りなさは残るが、派閥均衡を無視した小派閥や無派閥からの異例の起用によって首相は「小泉流」を貫いた。

毎日・朝日がケチをつけ、読売すら懸念を表明した今回の「狂牛病幹事長」の起用。これについても、産経は、「小泉流」をつらぬいたのはエライと褒め上げる。

まあ、ここまではいい。小泉内閣を評価するかしないかは、記者の価値観に基づくものだから。僕が問題にするのは、政治的に実現可能なことと不可能なことを見極めるセンスの有無だ。そういう観点からすると、次の一節はいただけない。
三役に望みたいのは、自民党立党の原点に立ちかえることだ。結党時の党是である「現行憲法の自主的改正」をいかに実現するかが党勢回復のカギであろう。

出た。産経節、炸裂。自己願望を現実とすり替えてしまっている。
第一に、憲法改正が党勢回復つながるという根拠を示していない。
第二に、米軍と自衛隊の軍事的一体化が進みつつあり、米政府高官から憲法改正を要請されている現状で、なにが「自主的改正」なのか。

・・・おっと、ついつい興奮してしまった。

僕の主観で9月28日付朝刊の社説に得点をつけると、こんな印象である。
朝日:★★
読売:★★★
毎日:★★★★
産経:★★★

おそまつさまでした。
# by priestk | 2004-09-30 01:21 | 政局・選挙
社説比較!小泉改造内閣
Excite エキサイト : 主要ニュース
「郵政シフト」、「森派偏重」、「身内優先」、「官邸外交強化」・・・。
小泉改造内閣の性格については、すでにさまざまな分析がなされてきた。
今回のエントリでは、小泉人事に関する朝日、読売、毎日の9月28日付社説を比較してみたい。

まず、なにが言いたいのかサッパリ見えてこないのが朝日の社説(「分からぬ幹事長選び」)だ。社説の結論とおぼしき部分からの引用。

>首相の方針や政策に逆らわない人々を政権の中枢に集め、政策を強力に進めようということだろう。首相の居心地はよかろうし、閣内に波風は立つまい。問題は、そうした顔ぶれで自民党内の抵抗を抑え込み、目に見える改革を実現できるかということだ。

で、なに?
政治部の記者が内閣改造の翌日に書いたにしては、なんとも薄っぺらな指摘ではないか。
自民党内の抵抗が予想されるのであれば、その時キーパーソンとなるのは誰で、いつごろ、どのように反乱の狼煙が上がるのか。そこまで踏み込まねば政局分析とはとても言えまい。

それでは内閣の政策に批判のメスを入れるのかといったらそれもない。郵政改革、北朝鮮外交、米軍基地再編などについて、内閣に一言の注文もつけないのだ。朝日は理想を失ったのか…。

朝日が唯一オリジナリティを発揮したのは、「参院選敗北の責任を取って辞任したなら、役職につかないのが筋だろう」と安倍晋三幹事長代理の進退に批判したことくらいか。

さて、読売の社説(「『小泉政治』をどう仕上げるのか」)も、なんだかボヤけている。

>自民党新三役の武部幹事長は小派閥の山崎派所属で、与謝野政調会長は無派閥だ。一見、弱体執行部にも見える。与党内の反発が強い場合、武部氏らが調整に手腕を発揮できるか、疑問もある。

おいおい、「一見」じゃなくて「圧倒的」に弱体執行部じゃないか。
なんと、読売が改造内閣の性格についてまともに分析したのはこの箇所くらいなのだ。
そして、おもむろに政策論に移る。

>川口前外相は民間出身の限界もあって、物足りない印象は否めなかった。衆院議員である町村外相の就任によって、政治が名実ともに責任を持つ外交の展開を期待したい。北朝鮮に対しても、日本の安全が脅かされるなら、経済制裁も辞さない、筋を通した姿勢が必要だ。

出た。読売節、炸裂である。返す刀で、

>連立のパートナーである公明党は、憲法改正、消費税率引き上げのいずれにも消極的だ。小泉政権の基本政策が公明党との調整によって、内容が希薄化する可能性がある。

と、公明党をけん制。
読売、プロ野球の選手会批判でも見せたように、威勢だけはいい。だが、政策論中心で政局解説がわずか、とはどういうことか。まあ社説としては一応「可」だ。

最後に健闘するのは毎日(「守勢目立つイエスマン政権」)だ。タイトルを見ただけで分かるように、中身もなかなかの喧嘩腰だ。まず、毎日は小泉首相の人事が苦肉の選択だったとケチをつける。

>首相の本音は、安倍晋三氏の続投だったといわれる。しかし、安倍氏が固辞してシナリオが狂った。反主流派の古賀誠氏ら党内実力者を起用し、党内融和を重視する道を選べば、「改革抵抗勢力との妥協」と国民に受け止められる恐れがある。さりとて、改革積極派には適任者がなかなか見つからない。そんな手詰まりの中での武部氏起用ではなかったか。

ここの分析は、おおむねうなずける。しかし、古賀氏起用は論外としても、額賀氏を選らばなかったのは、党内融和を拒否したというよりも、彼が叩けばいくらでもホコリが出る人物だからではないか。

>首相は今回、……中略……「中2階」組を排除した。そこに、「ポスト小泉」をうかがう反主流派、非主流派を徹底的に封じ込める意図を感じないわけにはいかない。

これもそのとおりだろう。
いいではないか。小泉首相は、21世紀初頭の日本が生んだ、マキャベリ宰相ということだ。
毎度の事ながら、政局を見る小泉首相のセンスは大したものだ。

>首相は国民的人気がある安倍氏が党や内閣の要職を外れ、首相と距離を置き始めるのを恐れたのではなかろうか。

安倍氏が首相と距離を置く……。断言はできないが、僕はそれはない、と見る。橋本派を根絶やしにしようという小泉首相の執念は想像を絶している。安倍氏に禅譲し、「森派支配」を確立してこそ、彼の野望は達成されるのではないか。

さて、毎日は改造内閣の性格を次のように結論付ける。

>内向きに郵政民営化の踏み絵をつきつけた結果が、「軽量イエスマン」政権だった。「改革実現内閣」というには何とも頼りなげなスタートではないか。

「軽量イエスマン政権」か……まるで日刊ゲンダイか夕刊フジレベルのネーミングだが、いわんとするところはよく分かる。

結局、朝日、読売、毎日のうち、最もパンチが効いていたのは毎日だった。
# by priestk | 2004-09-29 03:21 | 政局・選挙
小サプライズ。内閣改造
Excite エキサイト : 主要ニュース
第2次小泉改造内閣の顔ぶれが固まったようだ。
まだ情報を収集している段階なので、一言だけ。

今回の内閣改造は、小サプライズだ。
竹中氏、麻生氏、谷垣氏、細田氏といった重要閣僚は閣内にとどまった。
これは十分に予測の範囲内だったといえる。

一方で、午前に発表された党三役人事は「サプライズ」といいうるだろう。
一昨日の段階で幹事長候補に上がっていたのは、額賀氏、中川氏、谷垣氏、古賀氏などであった。

そこに、BSEであれだけ叩かれた武部氏を出してくるとは、大半の人が予想していなかった(もちろん、私も)。

今回の人事の結果がどう出るか。
明日朝刊の分析なども踏まえた上で、近日中にコメントしてみたい。
# by priestk | 2004-09-27 17:43 | 政局・選挙
政界のジジたちに聞け(書評:中曽根康弘・宮沢喜一・後藤田正晴・野中広務・塩川正十郎『時事放談1』)
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中曽根康弘・宮沢喜一・後藤田正晴・野中広務・塩川正十郎『時事放談1』講談社、2004年。

1957年から1987年まで三十年間つづいた長寿政治番組、時事放談。
この番組が、今年4月からTBSにて復活した(たしか日曜のえらく早い時間帯)。
司会は、毎日新聞の大ベテラン記者・岩見隆夫氏。
この本は番組の第1回から第10回までを対談風に文章化したものだ。

中曽根康弘、宮沢喜一、後藤田正晴、野中広務、塩川正十郎。
見ていただきたい、この濃い顔ぶれを。
平均年齢は一体何歳なんだろうか。
これが本当のジジ放談、なんちゃって!とでもいうつもりか。

彼らは政治の現場を離れているわけだから、この本に刺激的なインサイダー情報を期待するのは間違いだ。
そうではなく、「熟練の老医師らによる、日本政治の健康診断」と考えれば俄然面白く読めてくるはずだ。

彼らの信条や、現役時代の業績はひとまず脇へおこう。
この本から汲み取るべきは、数十年間にわたり政治の舞台に立った者だけが獲得できる、政治を視るリアリズムである。

僕の敬愛する後藤田正晴氏は言う。
(大正時代のシベリア撤退の困難さを例にだした後)「武装部隊なんていうものを海外に派遣するときは、必ずどういう場合に撤収するのかという計画がなければいけませんね・・・中略・・・先行きのことを考えないで、まあともかくアメリカがやってくれというならやるわい、ということではちょっとおかしいんではないか」。
# by priestk | 2004-09-27 05:13 | 政治・政治学書籍